丹田から鍛える体幹力:武士道に学ぶインナーマッスルの重要性

あへあほ体操の進化と、世界の身体軸の未来へ

目次

はじめに:18年の体幹探求が導いた“お腹の奥の真実”

「体幹を鍛えよう」と聞くと、多くの人が腹筋運動やプランクを思い浮かべますよね。僕たちが18年間にわたり向き合ってきたのは、もっと“深い場所”でした。

お腹の奥深くにあるインナーマッスル腹横筋に刺激を与えるために、新しい方法を作ったのが2007年5月の出来事です。

「あーへーあーほー」と、発声しながら「へ」と「ほ」の時にお腹を凹ませて!せ~の「あーへーあーほーあーへーあーほー」

当時から腹横筋を鍛えるトレーニング方法として、ドローイン(draw in)がありました。

ドローインを簡単に説明すると、息を吐きながらお腹を凹ませるというエクササイズです。リハビリテーションの領域では、腰痛や呼吸リハビリの一環でやっていたのを目にしていました。ドローイン(draw in)に関しては、あらゆる研究が進んでおり、今やグローバルスタンダードといっても良いかと思います。

このドローイン理論に、ハ行の発声を取り入れたのが、「あへあほ体操」です。

武道の世界でも「はー」とか、「ふゥー」とか、丹田に意識を集中する言葉だと感じたのです。同時にハ行が日本語の中で一番空気を使う言葉だと気づいたのです。

丹田と呼ばれる日本古来の身体意識、そして西洋解剖学でいう腹横筋という深層筋の存在

あらゆる視点で、お腹の奥と向き合いました。

科学的に証明されているドローイン、そして歴史が深い丹田…この両方に足りないものが2つありました。それは、インパクト楽しさ

これを加えたのが、あへあほ体操です。

あへあほ体操は、単なる体操ではありません。ユニークな発声と深層筋への刺激が組み合わさりました。
丹田と腹横筋にアプローチすることで内なる力を呼び覚ますための体幹メソッドが「あへあほ体操」

もしかしたら、今、僕たちはこのメソッドを「武士道」という精神文化と重ねることで、身体と心を同時に磨く、新たな“日本発のフィジカル哲学”として再定義しようとしているのかもしれません。

丹田とは何か?|日本人の身体観の中心

丹田(たんでん)とは、東洋医学・武術・禅などに登場するエネルギーの集積地であり、心身の中心とされる場所です。

丹田の分類


• 下丹田: へその下三寸(約7〜8cm)、武術や呼吸法で最重視される
• 中丹田: 胸の中央、ハートチャクラと関連
• 上丹田: 眉間(いわゆる“第三の目”)

とりわけ、体幹や動作の安定に関係するのが下丹田です。

武術の中での役割

古来、武士や武道家たちは、すべての動きの起点をこの“丹田”に置いていました。
「腹が据わる」「腹で動く」「丹田に気を集めよ」という言葉は、まさにこの身体観の象徴です。

腹横筋とは何か?|現代解剖学が示す“体幹の守護神”

腹横筋(ふくおうきん)は、腹部をぐるりと取り囲むように位置する最深部の腹筋です。コルセットのように内臓を守り、姿勢の安定・呼吸・力の伝達すべてに関与しています。

主な役割
• 内臓を圧迫して姿勢を安定させる
• 腹圧を高めて腰椎を保護
• 呼吸補助筋として、横隔膜と連携

まさに「体幹の土台」とも言える筋肉です。

武士道と丹田|身体と精神の一致を求めて

武士にとっての丹田の意味

武士にとって丹田は、「心を鎮める場所」であり、「力の出発点」でもありました。

剣道や弓道、柔道などでは、必ず「丹田に意識を入れろ」「腰を落とせ」という指導がされます。それは、単に体の安定性のためだけでなく、“気”を整え、心を鎮めるための所作でもありました。

宮本武蔵と『五輪書』に見る身体哲学

宮本武蔵の名著『五輪書』では、丹田という語そのものは登場しないものの、そこに流れる哲学は丹田の鍛錬と重なります。
• 地の巻: 土台=姿勢や足腰の安定
• 水の巻: 流れるような動作と柔軟な心
• 火の巻: 闘争心と一撃の集中
• 風の巻: 他流を知り、自流を高める
• 空の巻: 無我、無意識の境地

これらはすべて、「中心軸の意識」「身体と心の統合」=現代でいうコアトレーニングです。

現代人は“体幹”を筋肉として捉えがちですが、日本人の身体観は“気”と“意識”を含めて、全体としての安定と調和を大切にしていたのです。

あへあほ体操は「武士道的フィジカル」?

僕たちが18年間伝えてきたあへあほ体操は、実は「声」と「動き」と「意識」を統合することで、丹田と腹横筋を同時に活性化させるエクササイズとも言えます。

声と呼吸の組み合わせが鍵


• 「あ・へ・あ・ほ」と発声しながらお腹に刺激
• 笑顔で顔の力を抜き、脳の緊張を緩める
• ハ行の発声を使って、効果的に息を吐き出す能力を高める

これらの一連の動作は、結果として腹横筋の刺激+丹田への集中+心の開放を生み出します。

科学と伝統の架け橋に


• 腹横筋=医学・リハビリ・機能解剖学
• 丹田=武術・武士道・東洋哲学

この2つを橋渡しすることができる運動法が、あへあほ体操なのです。

2024年11月、日本予防理学療法学会で「あへあほ体操が体幹筋群の筋機能および機能に及ぼす即時的効果」について発表してきました。現在も、医療教育機関や博士ら研究チームと国際論文や海外での学会発表に向けて歩んでいます。

あへあほ体操のこれから|歴史に残る体操を目指して

世界に広がる「あへあほの輪」

ヨガや太極拳、ピラティスが世界に広がったように、“日本型の体幹法”としてあへあほ体操を世界に届けたいと僕たちは本気で考えています。

笑顔になれる/呼吸が深くなる/軸が整う/優しくなる/人とのつながりが生まれる/世界が繋がる/平和になる

ただの筋トレではなく文化として

2040年、世界同時あへあほへ

僕たちは今、2040年に「世界同時あへあほ体操」を実現するプロジェクトを始動しています。
その為に、仲間作り、組織作りに奮闘しています。

まとめ|体幹トレーニングの本質は“心身の中心を感じること”

丹田と腹横筋は、単なる身体の一部ではありません。
それは、心と体をつなぐ“原点”であり、あへあほ体操が大切にしてきた軸です。
• 丹田は「精神の軸」
• 腹横筋は「身体の軸」
• あへあほ体操は「両方をつなぐ道」

時代が変わっても、人間の本質は変わりません。
私たちはこれからも、“武士道的フィジカル”から学んだ「あへあほ」を現代に伝えるために、体幹の深さと喜びを伝え続けていきます。

お腹の奥から元気になる。ワクワクした世界へ

あなたも、今日この瞬間から丹田と向き合い、自分の内側の力に目を向けていきませんか?
「あへあほ」の歴史を一緒に作りましょう。

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この記事を書いた人

しもの まさひろ しもの まさひろ あへあほ体操創始者/延べ5万人以上を指導した体幹トレーナー

18年間にわたり「あへあほ体操」教室を継続し、延べ56,000人以上に直接指導。全国で45名の認定インストラクターを育成し、ZoomやYouTubeなどのオンライン指導、テレビ・ラジオでのレギュラー出演(各2年間)、累計1万部超の書籍出版など、多方面で活躍。
2024年には日本予防理学療法学会にて「あへあほ体操」の効果を発表し、医療・福祉分野への科学的展開を推進。
2025年3月には高齢者デイサービス・障がい者グループホーム・訪問治療院を運営する会社の取締役に就任。現在は国際論文の投稿と、2026年アメリカでの学会発表を予定し、あへあほ体操の世界標準化を視野に活動を広げている

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