【18年続くあへあほ体操教室】80代の挑戦と「人とのつながり」が生む健康と笑顔

あへあほ体操の教室を始めて、今年で18年。

これまで、何万人という方と出会い、一緒に声を出し、体を動かし、笑ってきました。

そんな長い歴史の中でも、今年の春は特別な出会いがありました。

目次

「コレなら出来るかも!」——80代半ばで踏み出した一歩

春、1人の女性が体験に来てくれました。年齢は80代半ば。初めて教室にいらしたとき、その方は杖をつき、少し不安げな表情をされていました。

「私なんかにできるかしら…?」

そんな思いを伝えてくれました。

最初は、「見学だけ…」と言っていたのですが、実際に体験していただきました。

周りの生徒さんは、みんな本当に優しいので、笑顔で声がけしてくれます。

「大丈夫だよー、大丈夫だよー」って。

実際にあへあほ体操を体験してみて、帰り際、微笑みながら小さな声でこうおっしゃいました。

「コレなら出来るかも..」

その日から、教室の一員として、毎週のレッスンに通ってくださっています。

「この日が来るとワクワクするんです」

その方が最近、伝えてくれた言葉があります。

「毎週、この日が来るとワクワクするんです」

運動の場が「楽しみな時間」となる。これは、私たちが目指してきたあへあほ体操の姿そのものです。

体を整えることはもちろん大切ですが、それ以上に、
• 「心が動く」
• 「前向きになれる」
• 「誰かと繋がれる」

そうした価値を提供することが、僕たちの願いです。

高齢者が“社会とつながる”場所としての体操教室

高齢になると、つい引きこもりがちになったり、人との接点が減ったりします。孤独と健康は、エビデンスもあるのです。

人は、誰かと繋がることで心が元気になります。
• 話し相手がいる
• 顔を覚えてもらえる
• 自分の居場所がある

これらは、運動以上に大きな“健康の源”です。

あへあほ体操教室は、「身体の健康」と同時に「心の健康」も育む場。「自分は1人じゃない」と思える時間が、ここにはあります。

孤独と健康に関する研究結果

高齢者の社会的孤立が健康に及ぼす影響について、以下のような研究結果があります。

日本人高齢者を対象とした研究では、社会的孤立と幸福感、絶望との関連が認められています。

日本人高齢者を対象とした研究では、社会的孤立が幸福感の低下や絶望感の増大と強く関連することが示されています。特に、日常的な会話や交流が少ない高齢者ほど、心の健康を損ないやすくなる傾向が明らかになりました。身体の健康だけでなく、“心の居場所”があるかどうかが、幸福感に直結するのです。あへあほ体操教室が「話せる」「笑える」場であることは、そうした孤立の予防にも大きな意味を持っています

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社会的孤立は、心血管疾患、がん、認知症、うつなどのリスクを高めることが報告されています。

2025年に発表された千葉大学・中込敦士准教授の研究によると、高齢者の社会的孤立は多方面にわたる健康リスクを高めることが明らかになりました。この「アウトカムワイド研究」では、孤立がうつ病や身体機能の低下、認知症の発症リスク、さらには死亡率の上昇とも関連することが示されています。社会とのつながりがあるだけで、心身の健康を保ちやすくなるという科学的裏付けです。あへあほ体操が提供する“つながりの場”は、まさにその予防の一助となり得ます。

高齢者の社会的孤立の健康影響:アウトカムワイド研究の知見より | 健康長寿ネット


孤独感がある人は、死亡リスクが高まることが示されています。

近年の研究では、孤独感を強く感じている人ほど、死亡リスクが高まることが明らかになっています。喫煙や肥満と同等、あるいはそれ以上の健康リスクとして位置づけられることもあり、心の状態が身体の健康に直結していることがわかります。特に高齢者にとっては、日々のつながりが「生きる力」そのもの。あへあほ体操のように、笑顔や声を交わせる場所に通うことは、命を守る“習慣”にもなり得るのです。

※孤独感は主観的健康感の低下をもたらすか 津村健太氏↓

https://researchmap.jp/tsumutsumu/published_papers/18325991/attachment_file.pdf?utm_source=chatgpt.com

これらの研究からも、社会的なつながりを持つことが、高齢者の健康維持にとって非常に重要であることがわかります。

続けられるから、変わっていける

あへあほ体操は、楽しく声を出すシンプルな動きが中心の、誰でもできる運動。だからこそ、継続しやすく、続けることで少しずつ、確実に変化が生まれます。


• 呼吸が深くなった
• 姿勢が良くなった
• 転びにくくなった
• 気持ちが明るくなった

実際に通ってくださっている方の声を聞くたびに、運動の本当の価値は“生活の中で感じる小さな変化”にあると実感しています。

「あへあほ体操」が届けたい未来

私たちが目指しているのは、単なる“運動教室”ではありません。
• 高齢者が安心して体を動かせる場
• 人と人が出会い、繋がり、支え合う場所
• 「もう遅い」ではなく、「今からでもできる」を実感できる空間

あへあほ体操は、そのすべてをカタチにするためにあります。

この体操を通じて、私たちは“体”を動かすだけでなく、“心”と“社会とのつながり”を取り戻す時間を届けたいと思っています。

世界が狭くなる中で、“孤独”が加速している

日本は世界に先駆けて超高齢社会を迎えています。

多くの高齢者が抱えるのは、病気や体力の衰えだけではありません。
一番つらいのは、「社会との接点がなくなっていくこと」。
できることが減り、会話が減り、外出が減り、やがて…孤独が日常になっていく。

「家の中で、ただ“さみしいよー”ってつぶやいてるんです」
「曜日を忘れると、不安になるの。曜日だけが、私と社会を繋いでくれるから」

そんな声を、私たちは何度も聞いてきました。

在宅医療や地域の安否確認の取り組みは、本当に素晴らしい。
けれど、それだけじゃ足りない。
“孤独を解消する仕組み”を、もっと届けていかなければならない。

繋がりさえあれば、変わっていける

「繋がる」ことができれば、
「一緒に体を動かす」ことができる。

声を出す。笑う。体を揺らす。誰かと一緒に息を合わせる。
それだけで、心が前向きになっていく。
「今日は楽しかった」「また来週ね」——その積み重ねが、生きる力になる。

動くと、カラダもココロも変わっていく。

あへあほ体操には、特別な道具も、高度な技術もいりません。
必要なのは、「誰かとつながりたい」という、ほんの少しの勇気だけ。

諦めない。何歳でも、何度でも。

私たちも、あきらめない。
高齢者の皆さんにも、あきらめてほしくない。
この「一歩一歩」が、青春なんだと思うんです。

人生の先輩方に向かって、「諦めるなー!」なんて偉そうなことは言えません。
でも、私たちはずっと、寄り添い続けたいと思っています。

「老い」が楽しくなる社会を、一緒につくましょう

あへあほ体操は、運動であり、予防であり、そして希望です。

「動ける」ことは「生きられる」こと。
「つながれる」ことは「笑える」こと。
それを、年齢や体力に関係なく、誰にでも届けたい。

世代を超えて、課題をひとつひとつ乗り越えながら、
老いが楽しくなる社会を、私たちと一緒につくっていきませんか?

あなたは、ひとりじゃない。
私たちが、ここにいます。

※あへあほⓇ体操インストラクターは、全国に45名います☆彡

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この記事を書いた人

しもの まさひろ しもの まさひろ あへあほ体操創始者/延べ5万人以上を指導した体幹トレーナー

18年間にわたり「あへあほ体操」教室を継続し、延べ56,000人以上に直接指導。全国で45名の認定インストラクターを育成し、ZoomやYouTubeなどのオンライン指導、テレビ・ラジオでのレギュラー出演(各2年間)、累計1万部超の書籍出版など、多方面で活躍。
2024年には日本予防理学療法学会にて「あへあほ体操」の効果を発表し、医療・福祉分野への科学的展開を推進。
2025年3月には高齢者デイサービス・障がい者グループホーム・訪問治療院を運営する会社の取締役に就任。現在は国際論文の投稿と、2026年アメリカでの学会発表を予定し、あへあほ体操の世界標準化を視野に活動を広げている

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