70代からはじめる体幹トレーニング「あへあほ体操」

――変形性膝関節症でも脊柱管狭窄症でも、“笑って動ける”わたしへ

「体幹を鍛えましょう」とよく耳にするけれど、「それって若い人の話でしょ?」と感じたことはありませんか?

でも実は、“いま”のあなたにこそ必要なのが体幹トレーニングなのです。

僕の母は現在70代。変形性膝関節症や脊柱管狭窄症を抱えながらも、毎週元気に「あへあほ体操」の教室に通っています。
変形性膝関節症と診断されたのは50代頃で、まだ学生だった僕は、「イタタタ…」と言いながら階段を辛そうに上る母の姿が記憶にありますが、

今では――
• 孫のダンス発表会を見にライブハウスへ
• 教室で知り合った同世代の仲間とランチ
• 家ではオンラインで「あへあほ体操」で全国に距離や世代を超えた友達がいます

見た目も、表情も、昔より元気。
年齢を重ねても、人生はいつだってアップデートできる。母の姿を見て、そう確信しています。

目次

「体幹」ってどこ?なぜ70代から必要なの?

まず、「体幹とは何か?」をわかりやすく言うと胴体部分。

さらに胴体の中でも特に“中心軸”となる部分が体幹筋群
重要なのは、骨盤や背骨を支えるインナーマッスル(深層筋)。その代表格が、
• 腹横筋(ふくおうきん)
• 内腹斜筋(ないふくしゃきん)
• 多裂筋(たれつきん)
• 骨盤底筋群

これらの筋肉は、外から見えにくいですが、次のような動きすべてに関係しています。
• 歩く・立つ・座るなどの日常動作
• 排泄や呼吸などの生命維持機能
• 転倒時のバランス制御

つまり、体幹が衰える=生活そのものが不安定になるということ。

70代は、筋力の低下や姿勢の崩れが顕著にあらわれる年代。転倒による骨折が寝たきりのリスクにつながる今、“体幹から支える”ことが健康寿命のカギとなっているのです。

あへあほ体操ってなに?

“呼吸”と“お腹”にアプローチする新しい体幹トレーニング

「あへあほ体操」は、声を出しながらお腹をへこませる、シンプルな体幹トレーニングです。

たとえばこんな風に行います。

《基本の動き》

  1. イスに座って、立っても、寝ててもOK
  2. 「あー、へー、あー、ほー」と発声しながら
  3. 「へ」と「ほ」で、お腹を凹ませます
  4. ニコニコしながら、楽しく10回繰り返す(1セット)

このとき使っているのが、まさに腹横筋や内腹斜筋などの体幹の深層筋。
同時に、呼気をコントロールすることで息を吐きだす力も高まり、呼吸機能の向上にもつながります。

僕の母も仲間と楽しくやっています。今ではすっかり習慣に。
元気で、生き生き楽しい毎日を送っています。

学会で体幹筋群の筋機能および呼吸機能における即時効果を発表

2024年11月9日に第11回日本予防理学療法学会において、体幹トレーニングエクササイズ「あへあほ体操」の効果について発表しました。

学会で発表する研究概要

研究タイトル:あへあほ体操が体幹筋群の筋機能および呼吸機能に及ぼす即時的効果
本研究の目的は、あへあほ体操が体幹筋群の筋活動や呼吸機能に与える即時的な効果を検証し、高齢者の健康寿命の延伸に向けたエビデンスを提供することです。研究結果は、予防医療や健康増進分野において重要な基盤となることが期待されています。

研究チーム

霜野 昌博(あへあほ体操創始者、株式会社AHプロジェクト代表取締役)
大野 大地(フィールドクルーズ代表、リハビリテーション科学修士)
黒澤 祝(西野学園 札幌リハビリテーション専門学校 理学療法士科 学科長)
片岡 義明(保健科学博士、北海道大学客員研究員)
西野学園 札幌リハビリテーション専門学校 学生

研究概要


• 対象者:健常成人13名
• 内容:「へ」「ほ」と発声しながらお腹を凹ませる運動(10回×3セット)
• 測定:運動前後の腹横筋・内腹斜筋などの筋活動量/呼吸機能(FVC)/腹囲

主な結果


• 内腹斜筋・腹横筋の筋活動が有意に増加(p=0.014)
• 呼吸機能(FVC)も向上(p=0.034)
• 腹囲の減少(p=0.003)

つまり、たった数分で体幹と呼吸機能に即時的な効果が得られたということ。
この成果は、筋力の衰えが進んでいる高齢者にとって大きな希望になる可能性が高い。

「変形性膝関節症」「脊柱管狭窄症」でもできる理由

「ひざが痛いから運動はムリ…」
「腰を動かすのが怖い…」

そう思っている方にも、あへあほ体操は安心して取り組めます。
• 座ったままでもOK
• 関節への負担が少ない
• 運動強度が自分で調整できる
• 仲間と笑い合いながら取り組める

僕の母も、変形性膝関節症で正座が難しく、脊柱管狭窄症で長時間歩くのがつらい時期もありました。

でも、あへあほ体操をはじめてから、「今日は体が軽い」「前より歩くのが楽」といった小さな変化を実感。
今では「友だちに会えるのが楽しい」と、毎週の教室を心待ちにしています。

心と社会もつながる体操

あへあほ体操は、ただの運動ではありません。
“人とつながるきっかけ”にもなっています。
• 同じ悩みを抱えた仲間と笑い合う時間
• 「また来週ね」と声をかけ合う習慣
• 仲間と一緒にランチに行く楽しみ
• 孫との話題が増える嬉しさ

身体が元気になると、心も外に向かい、人との関わりも自然に増えていきます。

母も「あへあほの人たち、みんな素敵!」と笑っています。

まとめ:あなたも、“まだまだ”をはじめよう

70代でも、80代でも、90代でも、体幹は鍛えられます。
そして、体幹が目覚めると、人生そのものが変わっていきます。

「笑うように息を吐いて、お腹をへこませる」
そんな簡単な動作から始めてみませんか?

あへあほ体操は、あなたの体と人生を“芯から”整える新しい体幹トレーニングです。

「もう遅い」なんてありません。
むしろ、「今からでもできる」と感じたこの瞬間が、最高のスタートラインです。

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この記事を書いた人

しもの まさひろ しもの まさひろ あへあほ体操創始者/延べ5万人以上を指導した体幹トレーナー

18年間にわたり「あへあほ体操」教室を継続し、延べ56,000人以上に直接指導。全国で45名の認定インストラクターを育成し、ZoomやYouTubeなどのオンライン指導、テレビ・ラジオでのレギュラー出演(各2年間)、累計1万部超の書籍出版など、多方面で活躍。
2024年には日本予防理学療法学会にて「あへあほ体操」の効果を発表し、医療・福祉分野への科学的展開を推進。
2025年3月には高齢者デイサービス・障がい者グループホーム・訪問治療院を運営する会社の取締役に就任。現在は国際論文の投稿と、2026年アメリカでの学会発表を予定し、あへあほ体操の世界標準化を視野に活動を広げている

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